放送日 | 2024年5月12日(日) |
話者 | カルロスさん(@carlosnote_) ゆしさん(@yushi_writer) |
ファシリテーター | たくまさん(@takumawriter) |
議題 | 1.案件獲得するときに考えるマネタイズポイント 2.結局ディレクターをできる人が好かれる |
- 入口は低単価の案件でも、資格や経歴にフィットしていれば長期的に大きな収益を生み出す可能性あり!
- 低単価から始めて自分の実績を上げつつ、段階的に単価を上げていくという手法が有効
- 医療ライターならば医療広告代理店と深くつながっておくことが重要!
- デキるディレクターがいると発注者は事業を拡大しやすいので重宝される!
- 書くことが好きではなくてもリサーチが得意ならばディレクターの適正あり!?
- ディレクターをやると良質なインプット・アウトプットができる!
案件を獲得するときに考えるマネタイズポイント
―案件は単価がすべてではない
(再生時間 2:18)
カルロス:目先の利益を取らない方がキャッシュポイントになる場合がある。1年後や2年後といった長い目で見ると、トータルで大きい収益を生み出すケースが多い。
ゆし:実際は「高単価だから受ける」「低単価だから受けない」といった基準で案件を選んでいる人も多い。それは必ずしも間違いではないが、単価の高さに固執してしまうと「単価が安いが最終的に利益を生み出す案件」を逃して損をしてしまう場合がある。
カルロス:たとえば、歯科衛生士の資格を活かしてライター活動をしたい人の前に、次の2つの案件があったとする。
- 仮想通貨ジャンルで文字単価5円の案件
- 記名記事で実績公開OKだが、入稿まで含めて文字単価1円の歯科案件
この2つだったら、確実に文字単価1円の歯科案件をとったほうが良い。なぜなら、歯科衛生士ライターにフィットした案件だから。

ゆし:結果的に自分の武器になるので「単価が安くても記名記事で実績公開できるのであれば優先的に受ける」のはひとつの戦略。
カルロス:継続的にそのメディアで仕事をするかは別として、ピンポイントで書きたいキーワードがあれば、無料でも受けて良いと思う。
反対に、高単価だが実績公開できないパターンで書いたとしたら「仮想通貨ジャンルでこういう感じのキーワードで書きました」とぼやかして提示できる程度。仮想通貨記事の実績を提示して医療系の案件を受けても、発注者は採用しようとは思わない。
歯科衛生士の資格や経験を活かして活動していきたいのであれば、高単価の他ジャンルよりも、自分の資格や経歴にフィットしたキーワードで書くべき。発注者が発注したいジャンルに沿ったキーワードを書いた経験があるほうが選ばれやすい。
ゆし:たとえば、歯科であれば次のようなキーワードを書いた経験があると、発注者の目に留まって採用されやすい。
- インビザライン
- マウスピース矯正
- ワイヤー矯正
カルロス:自分でブログ記事を作成しても良いが「実際のメディアで書いている」というのは大きな武器になる。
―記名記事に対するクライアントの反応記名記事に対するクライアントの反応
(再生時間 10:25)
たくま:発注者側のカルロスさんは、ライターから「単価は低めだったが記名記事を書いた」と言われると、どのような印象を持つ?
カルロス:正直なことを言うと、僕は記名記事に対して抱く印象は特にない。おそらく、記名記事が効果を発揮するのはメディアで仕事をするとき。僕は個人なので、メディアの大きさや、本人が書いたかどうかはあまり関係ない。
だから、僕自身も記名記事は1本も持っていない。クライアントからは記名にして良いと言われているが、理由があってあえて記名記事は書いていない。
まずは自分がやりたいことや、ライターとして今後どう発展させていくかという軸を持つ。そのうえで、案件を受けるときは、その案件が自分の軸の上にあるか否かを打算的に考えることが重要。
―カルロスが「最初は無料でも引き受けよう」と思う具体的な事例
(再生時間 12:37)
カルロス:具体的には「このクライアントから他にも数珠つなぎに仕事がもらえそう」と思ったら最初は単価が低めでも受ける。なぜなら、1記事でも書かせてもらえれば、僕の実力を分かってもらえる自信があるから。
たとえば、僕はランサーズの実績が乏しくて3件しかないが、1記事書かせてもらえればだいたい分かってもらえる。
だからクライアントとつながったとき、たとえ最初は無料であっても僕にできることは全部やる。執筆だけでなく、メディア制作やキーワード選定、アイキャッチ画像の作成まで無料でやって「それで良かったら発注を継続してください」と言えるくらい自信がある。

実際にそのような流れで案件を受けた経験もある?



山ほどありますね(笑)
カルロス:僕はライターとしては特殊で、サイト制作のスキルがあるので、記事を書くだけでなくサイトを作れることをアピールする。すると「知り合いの飲食店がサイトを作りたいって言ってるんです」と言われることがあるので「無料で作りますよ」と伝えて新たにつながる。その飲食店の人が実はクリニックの院長と知り合いだったというパターンもある。


無料で引き受けた仕事に対して恩返しを受けるような形。サイト制作は単価が高くて、コーディングから依頼すると30~50万円かかることも珍しくない。しかし、僕は低コストでサイトを制作できる手法を取り入れているので、無料でも問題ない。



ちなみに、僕にも「ヘッダーやツイートのまとめ図解をサンプルとして作ってみました」というDMが届くことがよくある。



カルロスさんに営業をしてくる人がいるということ?
カルロス:そういうことでしょうね。フォロワーが多くなって、発信もライターだけでなくビジネス界隈に向けてやっているという理由もあるかもしれないが。「無料でやってみました」と営業されることはよくある。
具体的な例をあげると、このカルゆしスペースの記事も、もともとはたまこさんが無料で作ってきた。それによって実力が分かって今もつながっている。だから、間口は低単価だったとしても、結果的により大きな利益につながるケースは往々にしてある。
多くの人は目先の利益に飛びつきがちなので、長期的な利益を自分で考えて実践できるようになると強い。
ゆし:確かに、普通だったら短期的な収益のほうに行ってしまう。
カルロス:副業の人のほうが専業の人よりもチャレンジしやすい環境なので、挑戦してみると良い。本業のベースの売り上げがあるから、副業の利益がゼロであっても生活に影響はない。
一方で、専業だと最低でも〇〇円は稼がないと生活できない、というラインがある。となると、やりたい仕事や長期的につながれる仕事だけをやるわけにはいかない。運よくやりたいことをやれているライターもいるかもしれないが、生活のためにやっている仕事もあると思う。
自分が副業ライターだからこそ言えるが、副業の人は思い切って挑戦したほうが、勝率が高まる。
―カルロスがマネタイズポイントをずらして大きく成長した案件
(再生時間 19:39)
カルロス:大きく成長したのは、英会話スクールのライティング案件。文字単価1円で、キーワード選定から入稿とアイキャッチまで全て請け負った。
この案件を受けた理由は、経営者同士がつながっているから。結果論ではあるが、英会話スクールの経営者がクリニックの院長や理事長クラスの人を紹介してくれて、別の案件につながった。
紹介なので、営業不要で直接契約ができる。一見医療とは関係なさそうに思えるが、もしかしたら次の仕事につながる可能性があるので、現在も英会話スクールの案件は継続している。
たくま:カルロスさんは単純に低単価な案件を受けているわけではなく、嗅覚をとぎすませて次の仕事につながりそうな案件を戦略的に受けているのですね。
ゆし:経営者同士がつながっている話にすごく共感した。というのも、僕は前職で医療機器の営業をやっていたが、実際にクリニックの先生は別のクリニックの先生とつながっていたから。
たとえば、Aクリニックに医療機器を売ると、Aクリニックの先生はBクリニックやCクリニックの先生に導入した機器の話をしてくれる。BクリニックやCクリニックの先生からすると、Aクリニックの先生はよく知った人。
だから、Aクリニックの先生から「最近こんな機器を購入したんだけど、すごく良いよ」と良い口コミを聞くと「自分も買おうかな、気になるな」と数珠つなぎ的に話が展開して購入につながるパターンがよくあった。



Webライターでも決して多いとは言えないが、このパターンを聞いたことはあるし、僕自身が体験したこともある。
だから「経営者が経営者を呼ぶ」ことはあると思う。



トップの下にいる、メディア責任者とつながるのも大きい。
カルロス:メディア責任者は、複数のクリニックのメディア運営を兼任していることもあるので。トップとつながると自動的にトップの下にいるメディア責任者とつながれる。
たくま:低単価の案件を入口にして重要なポストの人をつかみ、かつ質の高い仕事を提供するのが大切、ということですね。
カルロス:ただし、実力があるのは大前提。つながりだけ作っても結果は出ないし、記名記事があっても質の低い記事だったらディスブランディングにしかならない。となると、クオリティをしっかり担保したうえでどうやって届けるか。
質の高い記事を書けるのに見せ方がうまくない人もいれば、見せ方はうまいが実力が伴っていない人もいる。
たくま:ゆしさんの「どこのメディアで書いてるか、どういう記事を納めてるか」といった部分にもつながる話ですね。
▼質の低い記名記事がディスブランディングにしかならない話はこちら


―カルロスの最近の体験談
(再生時間 25:27)
カルロス:最近あった具体例をあげると、ランサーズでクリニックの院長の祝辞をリライトする依頼があった。依頼者のプロフィールを見たら「ホームページにコラムないぞ…」とか「系列病院めちゃくちゃある」と思い、やってみることに。
リライトだったので、Claude3をうまく使いながら3時間ほどで仕上げた。 ちなみに、料金は相場の半額程度。
その結果、すごく喜んでくれて「よかったらコラムを…」という流れになり、すぐに僕の10記事パッケージを購入してくれた。その後すぐにチームを組んで、10記事をサッと納品したところ、別のメディアの分も依頼されて、1ヵ月でパッケージが2つ売れた。
―マネタイズポイントをずらしたゆしの経験談
(再生時間 27:26)



ゆしさんは「マネタイズポイントをずらす」という点において、カルロスさんと同じような経験はある?



僕の場合は、無料で仕事を引き受けたことはない!
ゆし:ただ「最初は低単価で受けていく」というのはLP制作をするときによくやっていた。 なぜなら、0→1を達成するうえで、競合に勝たなくてはならないから。
最初は実績という武器がない中で戦わなければならないので、やはり金額はひとつの要素。競合よりも安く出せば分かりやすくインパクトを与えられる。
具体的な金額をあげると、10万円でLPのライティング・デザイン・コーディングを全て引き受けていた。これは、LP市場の中ではかなり安い金額設定。金額的なメリットを感じてくれる人がいるのを確信したうえで、この価格で出した。
僕の場合は、薬機法に特化したLPを出しているので「低単価に加えて薬機法のライティングまでやってくれる人」として売り出せば、いつか必ず売れると分かっていた。だから、低単価でLPの作業を全部引き受けるのは苦しかったが、まずは自分の武器を作るために実績を獲得した。その後、軌道に乗ってきたと思ったタイミングで金額を上げていった。
無料でなくとも、低単価から始めて自分の実績を上げつつ、段階的に単価を上げていくという手法はかなり有効だと思う。
たくま:カルロスさんとゆしさんの戦略は似ているようで違う。
- カルロス:高単価のものを依頼される
- ゆし:高単価の依頼を自分で取りに行って結果的に単価もつりあがっていく



ゆしさんが今LPをいくらで受注しているのか気になりますね(笑)



仕様によっても変わってくるので、値段はケースバイケース!
ゆし: 依頼がテキストコーディングか画像コーディングかでも異なる(※)。テキストコーディングまで依頼されれば価格は上がる。
まだまだ市場価格の中では僕は安いほう。ただ、良い感じで値段を上げられているので、1年以内には市場価格以上まで上げて、今以上に利益を確保したいと考えている。
- 画像コーディング:画像のみでWebページを制作する手法。HTML・CSSなどのコーディング知識やスキルが不要なため、作業工数が大幅に削減できる。
- テキストコーディング:プログラミング言語をテキスト(文字)で記述して制作する手法。
カルロス:スケールアップの段階には、間口を広げるフェーズと、そこから1つのクライアントに集約させるフェーズの2種類がある。間口を広げていくと、複数の案件を持ってるクライアントが絶対いる。
ゆし:「複数の案件を持っているクライアント」という点では、医療ライターならば医療広告代理店と深くつながっておくことがとても重要。さらに、つながる医療広告代理店がお金と力を持っているところであれば、なお強い。
強い医療広告代理店は、次のような案件をたくさん持っている。
- 美容医療
- クリニック開業
- クリニックの疾患コラム
- クリニックのホームページ運営を丸ごと
ゆし:幅広くやっている医療広告代理店から高評価をもらって、がっつりとスクラムを組めば依頼が途切れない。加えて、医療広告代理店が力を持っていると、必然的に単価も上がっていく。実際に、僕自身も文字単価10円で毎回依頼いただいている案件もある。
カルロス:僕の場合は、だんだんと単価上げていくというよりも、「年間で見たときに月に最低80~90万円のレンジで発注してもらえる条件ならば、このコストでやります」と提案をしている場合もある。
たくま:カルロスさんは大量受注限定。個人でやっているかチームで動いているかの差はあるが、提案の仕方はそれぞれですね。
―クラウドソーシングでゆしが実践した戦略
(再生時間 34:04)
ゆし:短期的な利益を狙うのではなくて長期的な利益を獲得するという意味では、クラウドソーシングも活用していきたい媒体。とはいえ、実は僕もランサーズの実績数は多くなくて、45件(※2024年5月時点)。
そんな僕でも、プロフィールの見せ方やパッケージの出し方を改善すると、いまだにランサーズ経由で大きな案件をもらえることがある。直近だと、クリニックのホームページに掲載するコラム記事の依頼があり、26記事任せてもらった。
ちなみに、金額は手取りで36万円。文字単価にすると約10円。手数料を差し引いて36万円がランサーズで手に入る。
僕は2年前くらいから「クラウドソーシングをやろう!」と発信しており、実際にやっている人もたくさん増えた。一方で、なかなか受注できないし手数料も高いから稼げないのでフェードアウトする人も多かった。もちろん、フェードアウトするのも間違いではない。
ただ、クラウドソーシングをフェードアウトしてしまうと、直営業しか選択肢がなくなる。直営業を精力的にやってみたものの、結局うまくいかずに爆死した人をたくさん見てきた。
クラウドソーシングをうまく活用すれば、手数料を差し引いても莫大な利益が入る。直営業よりも簡単に案件が取れるので、活用しない手はない。



クラウドソーシングであれば、実績数や見込みなどの数値的な部分も見えますからね。



クラウドソーシングをうまく活用するうえで重要なのは、とにかく実績をためること!
ゆし:文字単価0.8円や1円の低単価案件であっても、1記事1記事を丁寧に書いて良い口コミの実績を増やして、ランサーズであればパッケージも出して、と愚直にやっていくと、結果はついてくる。


ゆし:つまり、クラウドソーシングは何者でもない人が強者になれるツール。なぜなら、X界隈ではすごく有名で実績も豊富な人が、クラウドソーシングでは全く売れていないというパターンがあるから。



俺…?(笑)



そう、カルロス山本みたいにめちゃくちゃ能力を持っているのに、クラウドソーシングでは全然売れてない人がいるんです(笑)
ゆし:このような事態が起こる理由は、クラウドソーシングはクラウドソーシング内で実績がたまっていないと結局売れないから。だから、どれだけリアルで実績を持っていようが、クラウドソーシング内で高いランクを持っていないと厳しい。
裏を返すと、弱者がその逆をやれば案件が取れるということ。力を持っていない駆け出し医療ライターだったとしても、クラウドソーシングを愚直にコツコツやっていけば、強者に勝てる!
実際に、これをやっている人は結果が出ている。だから、長期的な利益を生み出すためには、低単価だけど我慢して実績をためていくフェーズも重要。
たくま:ふたりに共通するのは、長期的な目線で案件を受けて実績を積み、実力をつけていくということですね。



カルロスさんも最近ランサーズで大きな案件をとって「ランサーズってやっぱり良いな!」って思ったでしょ?



ランサーズめちゃくちゃ良いって思ったよ!
「ランサーズをこれから広げていくぞ」って、やる気が出て今は爪を研いでいる状態。



カルロスさんがランサーズ楽しくなって、火がついている感じが伝わってくる(笑)
ゆし:実績が少なくとも、スキルを尖らせてうまくパッケージを見せていけば、弱者であっても強者になれる。
カルロス:自分のコンサル生には「僕はランサーズでこういう風にパッケージを出しているので、 ちゃんと見てください」と言った。Xでもパッケージについて発信すると、調べてくる人がいる。ちなみに、パッケージを見ると足跡がつくので、誰が見たかも分かる。
―リスナーさんからの質問
待ちの営業はクラウドワークスよりランサーズのほうが評判が良い気がします。やはりパッケージがあるのが大きいのでしょうか?(質問者:ゆうかさん)
(再生時間 43:34)
ゆし:おっしゃるとおりで、ランサーズの強みはパッケージがあること。パッケージを出すと自分が何者であるかをアピールできる。クライアントは「この人どんな人なんだろう」という目線でプロフィールを見るので、僕はパッケージを「自分をアピールする材料のひとつ」として捉えている。
だから、僕は次のようにジャンルを分けてパッケージを出している。
- 歯科医療ライティング
- 薬機法ライティング
- 疾患記事ライティング
- インタビュー
- LP制作
ゆし:ジャンルを分けてパッケージを出すと、閲覧した人のニーズが分かる。インタビューのパッケージを見た人であれば「インタビューに興味があるんだな」と。足跡を見てニーズに特化したメッセージを作り、直接提案をすれば案件獲得の確率は大幅に上がる。
このように、パッケージでクライアントをスクリーニングにかけられるのがランサーズの面白いポイント。クライアントが何に困っていて何を欲しているかを、パッケージを使って見極められる。
だから、待ちの営業がしやすいのは間違いなくランサーズ。



ニーズ分析と直営業が同時にできるプラットフォームは強いですね。



ランサーズは、ココナラとクラウドワークスの良いとこどりのような位置づけ!
ゆし:待ちの営業ができて自分でも攻められる。だから、僕はクラウドソーシングをやったことのない人には「絶対ランサーズからやってください」と伝えている。
ランサーズで案件獲得するための工夫はありますか?初めて使うので戦略に悩んでいます(質問者:かきざきさん)
(再生時間 46:25)



まずはパッケージを作ってみるのが良い?



ただ、パッケージにも落とし穴がある!
ゆし:パッケージを出すときに「パッケージを売ろうとする」とうまくいかない。もちろんパッケージは売るための媒体ではあるが、序盤はどうやっても売れない。
だから、発想を変えて「パッケージを活用して自分のアピールをいかにうまくやるか」に注力すると良い。
質問者さんは現役の介護士なので、介護系のパッケージを出しつつ、特殊なスキルがあればそれも出してみる。プロフィールを見たところ、福祉系や転職系も書けるとのことなので、それぞれでパッケージを分けて出してみると良い。
これをやると、クライアントはどこかのパッケージに入ってくる。たとえば、介護系のパッケージに足跡がついたのならば、そのクライアントは介護系の案件に興味があるはず。介護系に特化した営業文を書くと確率が高まる。
結局ディレクターをできる人が好かれる
― ディレクターをできる人が好かれる理由
(再生時間 53:49)
カルロス:第3回で重宝されるライターについて話したが、その後自分も案件をこなしていく中で、ディレクターもできるライターが貴重だと感じた。その理由は、ディレクターもできるライターがいると事業が拡大しやすいから。
たとえば僕は今、自分が持っている案件をさばききれない状況。となると、僕が自分で書くよりも、案件に合ったライターを探してチームを作ったほうが利益が見込める。クライアントにとっても記事完成までのスピードが早くなるので、メリットが大きい。
そこでライターチームを作り、最初は僕が1人でディレクターの仕事を回していた。多い時は20人ほどのライターを採用して、月に50~60記事の編集をしていたが、このときはかなり大変だった。
ただ、チーム運営を続けていると、僕の代わりにチェックができる人がポツポツ登場してきた。10ヵ月間ずっと僕のチームで書いてくれている人は、以下を熟知したうえで執筆してくれる。
- トンマナ
- レギュレーション
- カルロスの編集の癖
カルロス:最近はその人たちに少しずつ僕がやっていた仕事を振り始めた。すると、利益率は下がるものの時間ができるので、その時間でランサーズをしっかり組み替えて新しい仕事がとれたり、Kindleを作ったりできるように。
これは、僕と長期間ずっと一緒に仕事をしてくれたライターがいたからこそできたこと。 まとめ役のライター(ディレクター)を配置すると、案件によっては僕がノータッチでできるものもある。キーワードの準備とエンドクライアントとのやりとりだけ僕がやって、あとはまとめ役のライターに任せている。
これができると、どんどん新しい案件を取れるようになる。ディレクターの経験がある人や、経験がなくても記事や構成、テキストコミュニケーションで求められることを熟知している人が1人いたら、仕事の広がりが全く違う。
―カルロスが考えるディレクターの適正
(再生時間 59:13)
カルロス:個人的にディレクターの適正があると思うのは、次のようなライター。
- 書くこと自体があまり好きではないライター
- 執筆速度が速くないライター
カルロス:僕自身もこのパターンだが、ディレクターで才能が開花する人もいる。反対に、すごく優秀なライターがディレクターには向いていないパターンも。
一緒に仕事をしているライターで、書くのは速くないがとてもリサーチが深い人がいる。リサーチが深いので、別のライターが書いた記事に対して「この参考文献は適していない」といった指摘ができる。
僕はこういう人にディレクターをやってほしいと思う。その人がいるおかげで、扱えるメディアが1つ増えたので僕はとても嬉しい。
「ディレクターバリバリできるよ」という人がいたら、任せたい案件が山ほどある。



より記事の質を高められる視点や情報収集ができる人がディレクターに向いているのではないか、ということですね。



ただし、前提としてディレクターは文章のフィードバックや修正ができないといけない。
上を見たらキリがないが、ディレクターになるには75~80%程度の文章力は必要。
カルロス:リサーチ力も大切だが、ディレクターは全方位に特化している必要はない。たとえば、歯科領域やAGAのプロである必要はないが「調べればどんなジャンルでも書ける」という人のほうが、ディレクターに向いていると思う。
たくま:ベースはありつつ、記事の質を引き上げられる人ですね。
カルロス:一方で、ディレクターに向いていないのは次のようなライター。
- マイペースで仕事をすすめたいライター
- やりとりが多いと苦痛に感じるライター



確かに、なるべく人と関わらないようにするためにライターの道を選んだ、という人もいますからね。



ディレクターは自分のペースで仕事はできない。
なぜなら、他の人のスケジュールに合わせることが多いから。
カルロス:たとえば、ライターから完成した構成が送られてきたときに、ディレクターがチェックを止めてしまうとそのライターは次の作業に進めない。だから僕は、構成チェックは自分の仕事を止めてでも優先的にやるようにしてる。
―カルロスのディレクター論を聞いてゆしが思ったこと
(再生時間 1:04:45)
ゆし:確かに「そもそも書くのはあまり好きではないがリサーチは得意」という人はいる。
実際に、ライターをしている僕の妻は書くのはあまり好きではない。でも、リサーチがめちゃくちゃ得意だから、ディレクターをしている。
リスナーさんの中にもそういう人はいると思う。書くのが苦手な人や、そもそも書くのはあまり好きではないといった人は、ディレクターにシフトしてもいいのかな、と。
カルロス:ディレクターになる経緯はいろいろなパターンがある。ディレクターを募集している案件もあれば、実績を認められて既存クライアントからディレクターの打診を受けるケースも。
ただ、案件が溢れていそうな人に実力を認めてもらうという方法もある。なぜなら、さばききれないほど案件を持っている人に認めてもらえれば、すぐにディレクターのポジションに入れるから。
僕の案件でディレクターをしている人も、実際に一緒に仕事をし始めたのは2ヵ月前から。ライターからランクアップする方法は、ディレクター枠の空き状況といったタイミング的な要素もある。



だから、僕が過去に戻るのならば、自分でディレクションの実績を作って、案件が溢れていそうな人に営業する。



仕事が溢れているであろう人にコンタクトを取って、そこで交流をしながら自分で巻き取るというやり方、興味深いですね。
―リスナーからの質問
チームにいてほしいライター、ディレクターはどんな人ですか?そのような人材の探し方や見つけ方も聞きたいです(質問者:かきざきさん)
(再生時間 1:09:23)
カルロス: 僕は自分の発信にリアクションをしてくれる人をかなりひいきしている。なぜなら、僕の発信を追っている人と追っていない人とではレベルが違うから。
僕の発信をインプットしていれば、確実にその人のレベルは上がっている。加えて、いざ一緒に仕事をするときにギャップが起こりにくい。
たとえば、僕は構成の作り方についても「こういうことができるといいよね」という内容の発信をしている。僕の発信を追っている人は、それが自発的にできるので、僕のチームに入ってほしいと思う。
ゆし:やはり人間ですからね。自分に対して好意的だったり、理解を示してくれたりする人は、当然やりやすい。
だから、チームにいてほしいライターは、次のような人。
- 発信に共感する
- ディレクターに対して理解を示す
- ディレクターに対してリスペクトを持っている
カルロス:チームにいてほしいと思うようなライターは、コミュニケーションコストを下げたり、文章術が高度だったり、ちまたで言われるような条件は当たり前にクリアしている人ばかり。
たくま:自分のことを理解してくれるライターが近くにいてくれると、非常に仕事がやりやすいということですね。
カルロスがライターに声をかけるときに重要視するポイント
(再生時間 1:16:52)
たくま:実際に介護系の案件をたくさん抱えているライターは「チーム化するのが難しい」と言っていた。ディレクターを入れてチーム化をするためのコツはある?
カルロス:僕がディレクターを採用するならば、 お願いしていなくても+αのことをやってくれる人を選ぶ。たとえば、アイキャッチ画像を作ってくれたり、流入キーワードを分析して次のキーワードを提案してくれたり。ライターの領域を超えていろいろやってくれる人。



僕はそういう人たちにディレクターになってもらい、やってほしいことをお願いして、少しずつ自分の仕事を手放していっている。



光るスキルを持っているライターに、だんだんと仕事を任せていくわけですね!
―ゆしが考えるディレクターのメリット
(再生時間 1:21:40)
ゆし:ディレクターをやるメリットは、良質なインプット・アウトプットにつながること。なぜなら、ディレクターになるとたくさんのライターの文章に触れられるので、自分だけでは気づけなかった発見があるから。
- 言い回し
- 文末表現のバリエーション
- 分かりやすい文章の展開方法
ゆし:他の人の文章からこれらを学び、ディレクターをやりながらプレイヤーができると最強。良質なインプット・アウトプットができると単純に案件数も増えるし、上流のエンドクライアントとも接点が持てる。


ゆし:僕は、ランサーズでプレイングマネージャーというディレクター的なポジションにいて、エンドクライアントとプレイヤーをつなぐ架け橋のような役割を担っている。
ゆし:僕がディレクターをやっていて良かったと感じた事例をあげると、エンドクライアントから僕に「医療広告ガイドラインに詳しい人を探しているので紹介してもらえないか」という話があった。
依頼は「紹介」だったが、そもそも僕自身が医療広告ガイドラインに沿ったライティングができる。だから、結果的に僕が受注した。
これはディレクターの強みのひとつ。エンドクライアントの要望を直接聞ける。エンドクライアントが求めていることを自分ができるのであれば、提案すれば良いので、案件数が増える。



つまり、ディレクターをやるとたくさんのライターの文章を見られるのでインプットにつながり、さらに自分でライティングをすれば良質なアウトプットになるという好循環が生まれる!



実は同じことを先日のstand.fmで話しました!
たくま:写経もそうですが、人の文章の良いところや、自分との違いを客観視するのは大切。
自分の文章でそれをやるとなると、なかなか難しい。だから、ディレクターをしながらライティングをすれば高速にインプットとアウトプットを回せるので、スキルを磨くうえで有用だし、クライアントに好かれやすい。
▼たくまさんが「人の文章を見ると勉強になる」ことについて語っているstand.fmはこちら


カルロス:まさにそのとおり。僕は良いと思った原稿や構成のやり方をチームのライターに共有している。なぜなら、チームとしてのレベルが上がるから。
たくま:良い例として共有された側の人も自己肯定感が上がるので、また頑張ろうと前向きに思えますよね。
ゆし:カルロスさんのチームはWebライターラボの人も多いので、もともとライター同士が知り合いなこともある環境。知り合いだと変にギクシャクしないので、すごく良いなと思う。
共有もしやすそうだし、誰かを褒めると他のライターも「あの人すごいな」と思って火がつくので、良い雰囲気になりそう。
カルロス:だから僕は3人1組のチャットグループを作って、そこで回してもらっている。僕は指示していないが、ライター同士で「これはこうしたほうが良いのではないか」と話し合っていて、チームが熟成していっている。



素晴らしいチームですね!



ディレクターをやるとクライアントに好かれて、優先的にいろいろな案件を紹介してもらえるだけでなく、チームとしても上がっていくと。
そういう人は仕事を任せたくなる貴重な人材ですね。
カルロス:ただ、僕はXがなければここまで成功できなかった。なぜなら、外注先もクラウドソーシングなどから探さなければならないので、優秀な人材を見つけづらいから。
もちろんクラウドソーシングにも優秀なライターはいるが、大勢のライターがいるので確率は下がる。Xがなければディレクターをお願いするような優秀な人を見つけられなかったので、 売上的にも月30万円ほどが限界だったのではないかと思う。
そもそもXでは僕が有益な情報を発信しているので、優秀なライターが集まってきてくれる。仮に僕が有益な発信をしていなくて、愚痴やプレゼント企画への応募だけをしているアカウントだったら、優秀なライターは集まらない。



だから、僕ほど尖る必要はないが、Xもしっかり運用すると良いことがある!



自分の思想や仕事への姿勢を発信していくと、その考えをインプットした人が集まってきてくれるということですね。
これだったら明日からでもできそうですね。
たくま:「自分のスタンスを発信している」という点では、ゆしさんのX運用が近そうなので、ぜひ見てみてください。
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